▼▼▼Film2.0〜2004.1 #161〜記事訳▼▼▼


『ネサラン・サガチ』ハ・ジウォン、キム・ジェウォン
少女、少年に会う
強靭な女戦士ハ・ジウォンと柔らかい男キム・ジェウォンがお互いの役割を変えて出会った。
7本目の映画を撮るハ・ジウォンは可愛い女子高生で、今しがたスクリーンにデビューする
キム・ジェウォンは礼儀をわきまえない大学生として呼吸を合わせた。
既存の役割から少しずつ席を移しながら、用心深く未来を模索している二人の青春俳優に会った。

疲れるとは思わないエネルギー女
ハ・ジウォン
 
初めはハ・ジウォンに知りたいことが多くなかった。
どんな役を引き受けても充実に演技してどんな質問を投げてもきちんと答える彼女の姿はいつも定規で測ったように正確だったからだ。
『悪夢』のホラークイーンから『色即是空』のセクシーな美女まで、『同感』のさわやかな大学生から『逆転に生きる』のおばさんまで、ハ・ジウォンがスクリーンを通しお披露目したキャラクターは多様だったがそこに新しさや破格さはなかった。
一様に隙もない態度で与えられた役割をしっかり噛み下しながら、ハ・ジウォンはいつも謙虚に話した。
「私は演技に対してしばらく習っているところです。いまだに不足した点がとても多いんです。」
いつも他人の視線を意識して生きる俳優らしかった。
 
そんなハ・ジウォンがスタジオに入ってくるやいなや、どっかり横になって寝た。
カメラの前では腰を真っすぐにして頭のてっぺんからつま先まで派手に緊張していた彼女がソファに横になり、目を閉じてぐうぐう眠る。
すでに一度お盆をむかえて歌を歌っていそいそと飛んできたハ・ジウォンはインタビューが終われば、またトークショー録画のために急いで動かなければならない。
去る2003年一年間、彼女はこのように休まなずに走った。
最近作だけ選んでも『茶母』に、『ネサラン・サガチ』、新しいTVドラマ『バリーで起こったこと』までびっしりと続く。
明け方からまた明け方が戻る時まで一杯になっているスケジュールに疲れた状態、針で刺しても血一滴流さないと思った彼女にそれとなく隙が見えた。
そんなハ・ジウォンが溌刺でとんでもない女子高生で登場する『ネサラン・サガチ』はせっかく一息つけるきっかけのように見られる。
重さを払いのけて軽くて可愛い姿を見せられる久しぶりの機会である。
しかし彼女は「そんな考えで『ネサラン・サガチ』を選択したのではない」と答える。
「シナリオを選ぶ時、100%私の思い通りにするわけでもないんですよ。」それなら誰の思い通り?
「私は自分の固執どおりにするのがあまりないんです。」
いつも肝っ玉があってしっかりした姿を見せた俳優ハ・ジウォンは思いがけない返事を続ける。
「映画を選ぶ時も周りに相談をよくして大慨はその意見に従う方なんです。撮影中も同じでです。
本来台本でハヨンはものすごく平凡な子供でした。ところが監督様はハヨンがもう少し立体的なキャラクターになるように願って、
それで今のようにとんでもなく、時には猟奇的な容貌まで見られる
今のハヨンになったんです。」
演技に臨む時も彼女は自身のことに固執することよりは与えられた状況に自らを合わせる。
台本を受けとれば自分の口に合うように現場で台詞を直したり作り出すことが多かったキム・ジェウォンと違って、
ハ・ジウォンは台本を大部分忠実に従った。
ただし、熱心にしつこく仕事をするという点だけでは意地を張った。
 
今『ネサラン・サガチ』で、そしてその後、ハ・ジウォンは強くて堅い既存のイメージで一歩進もうとする。
昨年の『茶母』は明らかに彼女に俳優としての新しい転機となってくれて、長い刃物を振り回して汗にまみれ
血にまみれるのを恐れない女戦士チェ・オクは彼女のフィルモグラフィーに頂点を捺したが、もう彼女は少しだけ力を抜きたがる。
「すでに20代半ばなのに高校生役が似合うか、気にならなかったら嘘でしょう。
ですが私がもう少し年を取っても女子高生の役は永遠にできないでしょう。ひとまず私ができる間に、できる役は皆してみたかったんです。」
『ネサラン・サガチ』でハ・ジウォンはそのせいで思いきりいたずらをして大声を出す。
ヒョンジュンの外車をたたき壊してやむを得ず奴隷契約を結ぶ時には精一杯卑屈に、そしてヒョンジュンの嘘を見つけして復讐を夢見る時には精一杯熱烈に。
助言をしてくれる先輩もなく自分がリ―ドしなければならない現場が初めは心配になったが、27歳の新人監督、若いスタッフらと共同作業を続けながら、
彼女は"若い映画"を作る楽しさをかなりよく感じた。
どこでも簡単に適応して楽しさを感じる才能を持った彼女には『ネサラン・サガチ』もまた楽しい作業だった。
 
『ネサラン・サガチ』で共演したキム・ジェウォンは彼女を指して"芳香剤のような人"と表現する。
自分を目立つように立てないけれどいつのまにか周辺に染み込んで、現場の雰囲気を楽にしてくれる俳優。
すでに映画だけでも七本目。多様な作品を休む暇なく行き来しながらも、ハ・ジウォンはまだ毎作品ごとに熱心に臨む。
そのような彼女の努力が時には『茶母』のように熱烈な呼応へ戻ったり、時には大きい反応を引き出せない場合もあるけれど、
どちらでもハ・ジウォンはそんなに失望しない。
いつも与えられた状況に誠実な姿はいつのまにかハ・ジウォンの特徴のように固まるようになった。
今忙しく撮影中であるドラマ『バリで起こったこと』でハ・ジウォンは自身のように一日一日をりりしくて明るく生きていく人物スジョンを演じる。
一体くたびれることもない彼女、何がそんな力を集中するのか一歩遅れて疑惑が起こり始めた。

僕にはとても親しい恋人
キム・ジェウォン

ブラウン管からスクリーンに舞台を移したが、苦労知らずに育ったように余裕があったキム・ジェウォンの役割は変わることがない。
小汚い現実の難関を解決していくことよりは、その全てのものと関係がなく、その向こう側に属している人物、一言で財閥2世が彼の代表的なイメージだ。
そのうちでもキム・ジェウォンの役割は現実的には成就するのが難しいすべての能力を一身に持って生まれた運の良い奴だったが、それでも高慢よりは最高の純真な愛で相手の気持ちを得る軟らかい男であった。
ロマンス小説から今しがた飛び出してきたように現実の時を消したまま、真っ白に脱色された姿で現れた彼は一気に視聴者らの心を得て、色々なドラマを通じ、その姿は再生産された。
 
しかし、自然人キム・ジェウォンの姿はそれほど甘ったるいミルキーボーイのイメージとは全く違う。
『ネサラン・サガチ』の製作発表会場と撮影現場で彼の姿を見る時ごとに、ブラウン管を通じ、予想したよりはるかに大きな身長と体格、低音の声に驚いたりした。
彼が今まで引き受けたキャラクターらもまたきれいに育った少年にだけ限定されたことではなかった。
大企業の能力ある後継者と分別がない高校生を演技する合間合間に、ドラマ『わが家』では平凡な家庭の末っ子の息子で、『ライバル』では犯罪組織の末端行動隊員で登場し、彼は結構変身を試みたりもした。
いわゆる"殺人微笑"で彼をあっという間にスターダムに乗せたドラマ『ロマンス』ですら、彼は素手で自身の夢を掴む自手成家型人物を演じた。
「僕は今まで自ら他の役を引き受けようと努力しました。」
いつも固定されたイメージだけを守るという指摘に対してキム・ジェウォンは少しくやしがる。
 
しかし結果的に、大衆に記憶されて受け入れられ残ったのはひたすら明るくて清く暗い影のない明るい彼の笑いだった。
『ロマンス』で年上の先生を愛する高校生で登場して以後、彼はとても近づく事が出来ない高い理想ではなく、少しだけ手差し出せば迫ってきそうなまろやかな弟の顔で席を位置づけた。
彼のファンが10代にだけ限定されないのはそんな理由だ。
10代を集観客層で設定している『ネサラン・サガチ』の撮影現場を粘り強く付いて回ったのは、制服の女子高生でなく
30代以上の女性らで形成された"姉部隊"であった。
彼女らは静かに、粘り強く後を追って少年と青年の境界を行き来する彼の姿を微笑ましく鑑賞した。
 
映画『ネサラン・サガチ』でも彼は現実よりファンタジーに属している。
ひたすら柔らかいだけの若造より少しほど荒い反抗児を好むこの頃の10代の好みにより"サガチ"が加味されたが、
『ネサラン・サガチ』のヒョンジュンは相変らず惜しむこと一つない完璧な条件をそろえた男だ。
新しいキーワード"カラダ最高"のおかげで以前から固く整えてきた彼の筋肉質の身体もまた一つの理想的条件で付け加えられた。
初めての試写会で「とても心苦しくて、思いどおりにスクリーンを見つめられなかった」というプールのシーン。
キム・ジェウォンはせっかく服を脱いで女性野次馬らの前を闊歩する。
少年の顔に筋肉質の身体、お互いに対照的な2つ以上を一身に持っている俳優。
非現実的ではあるが、いや非現実的であるために、彼が『ロマンス』の主人公で、白馬の王子の代表走者でもれなく登場するのは
それでおかしなことではない。
 
キム・ジェウォンもまた自身のイメージが固定されているのを分からなくもない。
しかし20代初めの俳優として、彼は今が変身を欲張る時とは違うと考える。
「ただ他の役を引き受けるからといって変身ができるのではないでしょう。
重要なことは僕が引き受けたキャラクターをどれくらい消化し出せるか、僕がその役割にどれくらい吸収されるかという問題でしょう。
そのためには経験と年輪がなければならないので・・・。まず今は僕がよくできること、僕が習熟したことをまずやり遂げることが必要だと思ったんです。
映画でもドラマでも僕は同じく演技する立場なのに、映画に移ってきたといって、突然違う姿を見せなければならないという強迫観念も
むしろぎこちないと思いましたしね。」
 
『ネサラン・サガチ』でも彼はそのような線を守りたかった。
ヒョンジュンは誇張されたファンタジーの中の人物だが、可能なかぎり現実感を持てるようにあっちこっち頭を捻ってみた。
「映画の中でヒョンジュンという人物が理由なしに礼儀をわきまえずに振舞っているのではないです。
ただ女に無関心なために目障りにすることだけ。そんな面は誰にでもあるでしょう。
映画がディテールをたくさん要求した方でないために、礼儀をわきまえない姿だけ誇張すれば説得力を得られないと考えました。
後半部で無関心だった心が関心に変わりながら、ハヨンに対する態度が急激に変わるのも納得できるようになるでしょう。」
決して素直でないけれど愛する相手にだけは親しい恋人。
大きな変化ではないが『ネサラン・サガチ』でキム・ジェウォンは綿菓子のように柔らかいだけの、以前の美少年キャラクターで一歩方向を定めた。
現在撮影中である韓中合作ドラマ『北京わが愛(プッキョン・ネサラン)』で彼が引き受けた役は、また再び財閥2世、
また別の"ネサラン"だが、今度は型破りなことを日常行って父に捨てられて見慣れない土地の中国で底辺から頂上を極める目新しいお坊ちゃんだ。
今まさに映画俳優から初めて着手をとったキム・ジェウォンには「正直まだ気楽なのはドラマ空間」だが、少しずつ変化を試みていく今、
広いスクリーンもしてみるに値する舞台だ。

写真:キム・ソンテ記者

ハ・ジウォン衣装協賛:C.O.A.X、Doll house
キム・ジェウォン衣装協賛:ソン・ジオ オム、ASK、ノーティーカージーン、OFジュエリー、ソーダ オム)


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